Chocolate

カカオポリフェノールの効果とは?

チョコレートには「カカオポリフェノール」という成分が含まれています。ポリフェノールと聞くと抗酸化作用があり、身体に良いイメージがありますが具体的な効果を知らない方もいるでしょう。今回はカカオポリフェノールが持つ効果や上手な摂取方法を紹介します。

カカオポリフェノールとは?

カカオポリフェノールとは、カカオ豆から取れるポリフェノールです。ポリフェノールとは、紫外線から身を守るために作り出す、苦みや色素の成分で、ほとんどの植物に含まれています。ポリフェノールには、化学構造の違うさまざまな種類があり、下記が挙げられます。

・カカオポリフェノール
・カカオポリフェノール
・アントシアニン
・カテキン
・ルチン
・コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)
・クルクミン
・ショウガオール
・フェルラ酸

なお、ポリフェノールの1日目安量は、1,000〜1,500㎎といわれていますが、いまなお明確な摂取量は定まっていません。実際に厚生労働省が出している「食事摂取基準2020」には、ポリフェノールの目安量の記載はありません。

カカオポリフェノールの効果

近年、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが注目されています。ポリフェノールを含む食品にはコーヒーや赤ワインなどがありますが、カカオ豆のポリフェノールは含有量が多く効率的に摂取できると考えられています。

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの持つ抗酸化作用は、動脈硬化予防を中心に、高血圧や脂質異常症の生活習慣病やがんなどの予防作用があるのです。

こちらではカカオポリフェノールに期待できる3つの効果の「抗酸化作用」「心血管への効果」「炎症の軽減」について紹介します。

抗酸化作用

ポリフェノールは植物が活性酸素から身を守るために、自ら作り出している成分です。人がポリフェノールを含む食品を摂取すると酸化を防ぐ効果が得られます。代表的なポリフェノールには、ブルーベリーに含まれている「アントシアニン」や緑茶に含まれている「カテキン」などがあります。しかし、生活習慣予防の効果が高いのは、チョコレートの原料である「カカオポリフェノール」です。

カカオポリフェノールには動脈硬化予防の効果があります。まず動脈硬化の原因は、加齢と血管へのコレステロールの沈着です。動脈はもともと弾力があり、血管がスムーズに流れるように血管内壁は滑らかになっています。

しかし、加齢や血管内壁にコレステロールが溜まることで、血液の流れが悪くなります。その結果、動脈硬化につながります。

なお、コレステロール自体が動脈硬化を引き起こすわけではありません。動脈硬化の原因は、偏った食事や喫煙、ストレスなどによって、体内のLDL(悪玉)コレステロールが酸化LDLに変化することにあります。しかし、カカオポリフェノールには強力な抗酸化作用があるため、LDLコレステロールが酸化して酸化LDLなるのを防止する効果が期待できます。

心血管への効果

カカオポリフェノールには、心血管疾患の予防効果が期待できます。心血管疾患には、心筋梗塞や狭心症などがありますが、あらゆる心血管疾患の最終段階が心不全です。高齢化が問題となっている我が国では、心不全は我が国の死亡原因の2位であり、心不全の患者数は増加し続けています。心不全には治療薬もなく、予後も悪いため大きな問題となっているのです。

なお、カカオポリフェノールを摂取により、血管が拡張され血圧が低下すると、動物実験だけでなく、ヒト臨床試験でも結果が確認されています。カカオポリフェノールの摂取で脂質異常症や耐糖能が改善することが報告されており、動脈硬化の抑制や虚血性心疾患などの予防ができるでしょう。

今後、超高齢化社会の到来に伴い、「心不全パニック」が到来すると考えられています。重症の心不全患者の5年生存率は50%を下回っており、この数値はがんよりも予後の悪い疾患です。

この心不全パニックが起こり得る要因としては食生活の変化が挙げられます。近年、アメリカの生活スタイルが日本に入り、高カロリー食、過食、運動不足など生活習慣の乱れが問題になっています。

この食生活の変化は高血圧症や糖尿病、脂質異常症の原因となったりメタボリックシンドロームを発症したりする原因となったり、私たちの健康を脅かす要因となりえます。

カカオポリフェノールに含まれるCBPsには、血圧低下作用、脂質低下作用、耐糖能改善作用が報告されています。そのため、心血管疾患のリスクである各症状を予防する効果が期待できるでしょう。

炎症の軽減

カカオポリフェノールには、炎症を軽減する効果が期待できます。炎症は異物や死んでしまった細胞を排除し、身体を一定に保とうとする反応を指します。私たちの身体にとって異物である細菌やウイルスが体内に侵入しようとした時、身体がその異物を排除しようと働いた結果が炎症反応です。

炎症には早く症状が治まる怪我やウイルス感染などの「急性炎症」と、炎症の症状がなかなか治まらない慢性炎症があります。慢性炎症には喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患や関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどがあります。すぐに死に至るような病気ではありませんが、長期にわたって症状が続く病気です。

加齢に伴い増加するがん、動脈硬化、肥満などのさまざまな疾患や老化そのものなどの慢性的な炎症が続くことにより、症状が進行するのではないかと考えられています。

カカオはチョコレートのような脂質と糖を含む嗜好品によく使われていますが、これから紹介する「高カカオチョコレート」以外は肥満や高血糖につながります。しかし、カカオ自体は食物繊維が多く、脂質と糖の含有量は比較的少ない食品です。

一般的な甘くて美味しいチョコレートは、健康に良いイメージはありませんが、研究結果からチョコレートに含まれるカカオには、抗酸化、高血圧、抗炎症やインスリン感受性、血管内皮機能に対する作用などがあり、健康に良い影響を与えることが分かっています。

高カカオチョコレートとは?

高カカオチョコレートとは、明確な定義はありませんが、カカオの含有量が70%以上のものを指すことが多くあります。砂糖や乳脂肪などのカカオ以外の成分を極力抑えたチョコレートです。

高カカオチョコレートには、カカオ含有量が70〜99%までのものがあります。99%のものは苦味が強いため、人によっては食べにくいと感じることもあるでしょう。しかし、高カカオチョコレートの中でも70%程度のものは甘みも感じられるため、食べ慣れてない方はここから始めてみましょう。

なお、カカオ含有量が多いものほど、ポリフェノールも多く含まれるため、今回紹介している効果をより期待できます。美味しく食べながらも自分にあったカカオ含有量の商品を探してみましょう。

高カカオチョコレートのおすすめ商品

ここではバニラビーンズの高カカオチョコレートのおすすめ商品を紹介しますので、高カカオチョコレートを選ぶ際の参考にしてください。

タブレットショコラ・ガーナ80

カカオ豆の選別から手がけたシングルビーンのチョコレートです。タブレットショコラの中ではハイカカオながらも、カカオを焙煎した香ばしさや南国のフルーツを想起させるフルーティーさがある食べやすい1枚です。

タブレットショコラ・トリニダード77

カカオ豆の選別から手がけたシングルビーンのチョコレートです。スモーキーな香りが特徴で、苦味の中にもコクを感じるフレーバーです。後味には程よい酸味も感じられ、エスプレッソのショットのようなコク深さはウイスキーとの相性もバッチリの1枚です。

タブレットショコラ・エクアドル70

先住民の伝統的な農業方法で栽培された希少なカカオ豆を使用したチョコレートです。酸味が少なく、コーヒーのようなまろやかな苦味を感じさせるフレーバーです。アーモンドに似た豊かな香りが口の中で感じられる1枚です。

高カカオのチョコレートがおすすめのシーン

ここでは高カカオチョコレートをよりおいしく効果的に食べられる、おすすめのタイミングを紹介します。

ほっと一息つきたいコーヒータイムに

仕事や勉強の合間に高カカオのチョコレートがおすすめです。コーヒーと合わせて一つ口に含むと、疲れが和らぐでしょう。また、チョコレートを摂取する際にカフェインが含まれるコーヒーと組み合わせることで、集中力向上効果が期待できます。長時間の作業で「集中力が切れてきたかも」といったタイミングに試してみましょう。

お酒と一緒に

お酒とチョコレートは相性がよく、特にワインやウイスキーがおすすめです。ワインは辛口のものよりも甘口のものの方が高カカオチョコレートによく合います。スッキリしたものより濃厚なワインの方がよく合うため、甘口の赤ワインやシャンパンとあわせましょう。

ウイスキーにチョコレートは定番です。高カカオチョコレートの苦味とウイスキーの甘みがより一層美味しく感じられ、相性が抜群です。ウイスキーをあまり飲まない方でも、チョコレートと一緒に組み合わせることで美味しく召し上がれるでしょう。

高カカオの上手な摂取

高カカオチョコレートの効率的な摂取量は、1日25gで、この量は毎日摂取しても体に異常が出ない量と言われています。高カカオチョコレートの効果は、摂取後1〜2時間がピークで3時間程度は有効成分が維持されるのです。そのため食べるタイミングとしては、1日3食の食前と食間の2回の合計5回の摂取がおすすめです。

食前に食べることで食後の高血糖の防止となり、食間に食べることで食べ過ぎ防止効果が期待できます。まずは3ヶ月継続してみましょう。

食べすぎに注意

高カカオチョコレートは、食べれば食べるほど効果が出るものではありません。通常のチョコレートに比べると砂糖や脂肪分は少量ですが、食べ過ぎてしまえば、カロリーや脂質の取り過ぎになります。毎日摂取したとしても、1日25gに抑えるようにしましょう。

妊産婦は摂取量に注意

チョコレートは、妊産婦にとって摂取してはいけない食品ではありません。しかし、チョコレートにはカフェインが含まれているため、摂取量には注意が必要です。

厚生労働省のホームページに記載されている妊娠期のカフェイン摂取量は、200mgとされています。高濃度のカフェインにより自然流産を引き起こす可能性があるためです。授乳期のカフェイン摂取量は国内において明確に定められていませんが、外国では授乳中のカフェイン摂取を定めている国もあり、カナダでは1日300mgまでとされています。

成人は5〜6時間程度でカフェインは肝臓で分解されますが、肝機能が未成熟の赤ちゃんはカフェインの耐性がありません。そのため、乳児にカフェインを間違って与えないよう注意しましょう。

体のことを考えてチョコレートを楽しもう

ポリフェノールには様々な種類があり、チョコレートの主原料となるカカオにはカカオポリフェノールが含まれています。カカオポリフェノールは他のポリフェノールよりも含有量が多く含まれているため効率よく摂取が可能です。

カカオプロフェノールの効果は抗酸化作用や、心血管への効果、炎症の軽減などがありさまざまな病気の予防効果が期待できるといわれています。

また、1日25gを5回に分けて高カカオチョコレートを摂取することで、ポリフェノールの効果だけではなく、食事の際の血糖値上昇や食べ過ぎの予防にも期待できます。 コーヒータイムやお酒のおつまみとしても美味しく食べられるチョコレートを生活にうまく取り入れましょう。

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